骨格筋の構造
骨格筋は筋線維と呼ばれる細長い円柱系の骨細胞が集まったものです。
骨細胞は骨細胞膜の鞘に包まれています。
筋線維は数10本束ねられており、その束を筋束といいます。
筋束も一つの膜、筋周膜によって包まれています。
この筋束が数百から数千個集まり、一つの膜、筋上膜につつまれたものが筋肉です。
イメージを容易にするために一つの仮定の例を示します。
20本の筋線維が集まって一つの筋束ができたとします。
次に100本の筋束が集まって一つの骨格筋ができたとします。
するとこの例ではその骨格筋は2000個(2000本)の骨細胞から作られているということができます。
もう少し具体的イメージで
筋線維の直径は0.1mm前後ですので筋肉の断面直径が1センチの場合で、筋線維の断面が筋肉の断面に占める比率を50%として概算してみますとその本数は約5000本になります。
注)筋線維は筋繊維とも表記します。
筋線維(骨細胞)の構造と働き
筋線維は、筋原線維という収縮性の構造を持ち、筋線維全長の渡る長さの細胞内器官を束ねた形になっています。
筋原線維は筋節と呼ばれる形成単位が縦に連なったものです。
この筋節はZ板と呼ばれるものと隣接のZ板との間で1区画です。
このZ板に多数の細い筋フィラメント(アクチン細糸)が連結されています。
両側のZ板からの細い筋フィラメントの間にはスペースがあり、そこに太い筋フィラメント(ミオシン細糸)群がセットされています。
一本の太い筋フィラメント(ミオシン細糸)とそれを取り囲むように配置された6本の細い筋フィラメント(アクチン細糸)が平行に走り、一部が重なっているというのが一つの単位です。
筋肉が収縮するときには太い筋フィラメントが細い筋フィラメントを引き込むことにより重なりは大きくなり、全長は短縮します。
反対に筋肉が伸展しているときには重なり部分が小さくなり、全長が伸びます。

骨格筋の構造 筋肉は複数の筋束からなる(中央上)。筋束は筋繊維(筋細胞)の集まりである(右上)。複数の筋原繊維が束ねられて筋繊維を形作る(右中央)。筋原繊維はアクチンタンパク質とミオシンタンパク質が入れ子状になった構造を取る(右下)。
(上記画像と解説 wikipedia)
太い筋フィラメントが細い筋フィラメントをすべりこませるメカニズムは、ミオシン分子と呼ばれるゴルフのクラブのような形の分子を200本ほど束ねて作られる太い筋フィラメントの多数のヘッドの角度がカルシウム2+のある環境でATPのエネルギーを使って変化することを繰り返し、周りの細い筋フィラメントを引き込むという方法です。
上の左下の図で、海ブドウの絡まったようなアクチンタンパク質を絡まったゴルフのヘッド様のミオシン分子の軸の角度が立ち、一時的に結合し、引き込み、結合を外す動作を繰り返します。
筋肉が高エネルギー効率である仕組みを分子レベルで解明
東大、筋肉が高エネルギー効率である仕組みを分子レベルで解明 東京大学の茅元司助教と樋口秀男教授(大学院理学系研究科 物理学専攻)は筋肉の収縮を司るタンパク質ミオシン1分子の弾性と力発生中の運動距離を測定しました。
研究の背景と研究目的筋肉の運動を担っている素子はミオシンと呼ばれるタンパク質であり、その大きさは数十ナノメートル(数ミリメートルの十万分の1)たらずです。
筋肉が収縮するとき、ミオシンはアクチンというタンパク質と結合し、アクチン繊維を動かします。
このとき、ミオシン分子に内在するバネ的な構造部位を伸ばすことにより力を発生します(図1)。
このミオシン分子のエネルギー効率は、マイクロモーターのエネルギー効率(1%)や車のエネルギー効率(15%)に比べて非常に高く、約50%です。
そこで、高効率の理由を解明するために、ミオシン1分子の弾性と力発生中の運動距離(歩幅)をナノメートル・ピコニュートン精度(百万分の1ミリメートル・百億分の1グラム)で測定しました。
その結果、ミオシン分子を伸ばすと硬くなり、逆に押し縮めると柔らかくなる事が世界で初めて判明しました。
この結果から、ミオシンは力を発生するとき伸ばされるので、硬いバネを伸ばしたときのように大きな力を出すことができます。
一方、力を出し終えた後は、紐のように柔らかくなって他の分子の力発生の邪魔にならないことでエネルギー効率を上げでいます。
研究で得られた結果と知見
ミオシン分子が引伸ばされた時には、図2の(ア)の領域のように力が急激に増加するのに対して、押し縮められたときは図2の(イ)の領域のように力が殆ど変化しないことがわかりました。
それでは、ミオシンのどの部分が伸びたり縮んだりするのでしょうか? ミオシンは、図2に示すように紐状の部位とバネ的な性質をもつ楕円状の部位から構成されています。
したがって、ミオシンが引っ張られた時には、紐状の部位が伸びきって硬くなり、楕円状の部位のみがわずかに伸ばされて、大きな力を出します。
一方押された時には、細い紐状の部位が容易に屈曲するため、力が殆ど変化しないと理解できます。ATPを入れると、ミオシンは階段状の変位と力を発生をしました(図3)。
変位1段の高さはミオシンの歩幅に相当し、約8ナノメートルであることが初めてわかりました。
骨格筋位置と形状
分かりやすいように色分けしてみました。
pdf版はこちら
筋肉名称や図の感じが違いますが重なった部分の理解用に載せます。
全身の筋肉(正面)
全身の筋肉(背面)
横顔の筋肉
顔正面の筋肉
上腕の筋肉
上腕を動かす筋肉
前腕を動かす筋肉
手、指を動かす筋肉
腹部の筋肉
大腿骨を動かす筋肉(前側)
大腿骨を動かす筋肉(後側)
足を動かす筋肉(前側)
足を動かす筋肉(後側)
元図はGet Body Smartから転用させて頂きました。