中国での状況
気功の基本は、心身のリラックスにある。
中国語では体のリラックスのことを「放鬆」(ほうしょう)、心の安定した状態を「入静」(にゅうせい)と言っていて、両者を合わせた「鬆静」(しょうせい)状態が気功を行なうときの基本となっている。
心身が安定してゆるんでいる状態で、動作、呼吸、イメージを用いて、総合的に心身の自己コントロールを行なうのが気功の特徴である。また、スポーツでは筋肉を鍛えるが、気功は内臓を鍛えるともいう。
気功の源流は、陰陽五行思想、古代医術やシャーマニズム、中国武術、導引や按摩など民間の養生法、仏教・道教などの宗教の修行法など多岐にわたる。
そうした様々な行法の中から、病弱な人でも自分でできる効果が高いものを選び、簡単なことの繰り返しで成果が上がるように工夫されてきたのである。
日本からは岡田式正座法、霊動法などが伝わり中国気功に影響を与えた。また、例えばインドのヨーガはヨガ気功と言われていた。
中華人民共和国では中医学の経絡理論などと結びついて、健康法として簡化太極拳と同様公園などで広く行なわれていた。
また、一定の医療効果を上げてきたので、中国では病院や療養所などで気功科を併設している場合もある。
そうした、医療健康面での功績のために、布教活動が禁止されている中国の中でも、気功と言えば宗教的な色彩のものでも容認される傾向が生まれ、1980年代以降、新しい宗教気功が次々と現れた。
その結果、中国政府は共産党に批判的な法輪功を弾圧し、1999年の法輪功事件に至った。
法輪功事件以後、集団で気功をすることの規制が厳しくなり、現在の中国では郭林新気功など一部の公認グループを除いて公園で気功をしているのを見なくなった。
中国では現在、健身気功という政府公認の気功を編集している。
中国気功
気功名 創始人 地域
華夏智能功 鶴鳴 河北
童子長寿九歩動 厳新 北京
大雁功(前後64式) 楊梅君 北京
馬礼堂六字訣 馬礼堂 北京
慧明功 張汝明 天津
心功 劉官任 天津
盤山陰陽功 孟桂秋 天津
郭林新気功 郭林 北京
虚霊功 葉芳楊 北京
幸福功 黄元福 深圸
元極功 張志祥 湖北
自然康寿功 周慧 河北
青年益智能明目功 高志祥 北京
健身気功管理法 制定 国家体育委員会
第一条:健身気功の管理強化と発展促進のために、「中華人民共和国体育法」「社会気功の管理強化する通知」の規定により、本管理法を制定する。
第二条:健身気功とは練功を通して、身体を健康にし、養生と健康回復する気功活動のことである。社会に向け、健身気功を従事する企業、事業団体、社団組織または個人はこれに該当し本管理法を守る義務がある。
第三条:国家体育委員会は全国の健身気功活動を管理するものとする。具体的には体育委員会の武術運動管理センターが責任を負って管理する。
1、 全国健身気功活動発展の企画を制定配布する。
2、 気功指導員の技術等級制度を制定配布する。
3、健身気功活動をやっている企業、事業団体、社団法人、個人の業務を管理する。
4、 高級健身気功師の技術養成、資格審査、等級検査を実施する。
5、 健身気功功法を審査制定する。
6、 全国健身気功管理部門を指導する。
第四条:各地方の政府の体育行政部門は各地域の健身気功活動の管理をする。
1、 地区の健身気功活動発展の企画を制定配布する。
2、 地区で健身気功をしている企業、事業団体、社団法人、個人の業務を管理する。
3、 地区の健身気功活動を審査、認定する。
4、 地区の健身気功師の技術教育、資格、等級審査する。
第五条:民政局、工商局、公安局は各自の責任範囲内で健身気功活動を管理する。
第六条:国家体育委員会の体育武術運動管理センターが健身気功師の技術等級を決定、資格制度を実施する。
第七条:健身気功活動をやっている企業、事業団体、社会団体、個人は所在地の体育行政部門に申告を提出しなければならない。全国的な気功活動を行う健身気功活動は国家武術運動センターへ申告する。
第八条:健身気功を業務とする社会団体は所在地の体育行政部門の審査と許可を受け取り、民政部門に登録する。
第九条:健身気功を業務とする組織または個人は所在地の体育行政部門の審査と許可を受けてから、工商行政部門に申請し、営業許可をうける。
第十条:健身気功を業務とする学校または教室は所在地の体育行政部門の審査と許可を受け所在地の教育行政部門に申請する。
第十一条:健身気功をするには国家武術運動管理センターへ報告し、許可を貰ってから、外事活動の規定により相関の手続が終了後、気功活動を行う。
第十二条:企業、事業団体、社会団体は健身気功活動を行うには前に体育行政部門に責任者のサインした申請書と証明文書を提出しなければならない。
内容
1、企業、事業団体、社会団体の名称。
2、健身気功の項目、時間、講習、講座、交流、実技、規模。
3、気功組織の住所、活動の場所。
4、組織の責任者、従業員などのリスト。
5、気功師の氏名、性別、学歴、職業、履歴、技術等級、功法名、功法源流。
6、安全保障措置。
7、経費と収支。
8、広告宣伝内容。
第十三条:体育行政部門は申請の受理を受けてから、30日以内で審査を終えて、文書の形式で同意するかしないかの結果を下ろさなければならない。
第十四条:健身気功の企業、事業団体、社会団体と個人は下記の行為範囲を守る。
1、 中国共産党を擁護し、社会主義祖国を愛し、健身気功事業を愛し、法律と社会公徳を守る。
2、 気功の名で搾取したり、封建迷信を宣伝しない。
3、 無許可で気功の書物を出版したり、ビデオ、テープを売ったりしてはいけない。
4、 体育行政部門の審査のない健身気功の宣伝を広告してはいけな い。
5、 社会治安を妨げてはいけない。
第十五条:健身気功活動の中で国民の健康に著しい貢献をした組織と個人に対して、体育行政部門はそれを表彰、奨励する。
第十六条:本管理法に違反する場合は状況によって、警告、改正、資格証の没収、有効許可証、営業証の取り上げ、所得の没収などにする。
1、 資格証を持っていない人は気功を教えてはいけない。
2、 申請していない企業、事業団体、社会団体は健身気功の事業をしてはいけない。
3、 許可なしには海外の人員に対する気功活動を行ってはいけない。
気功とルーツがダブル太極拳は大きく6つの流派にわかれていましたが1956年で中国国家体育運動委員会を中心に、民間の武術家を集め、標準的な太極拳をまとめて、「簡化24式太極拳」として再編成されたものでした。
その後世界標準の太極拳として、中国国内だけではなく世界にひろまっていきました。
この国家太極拳の制定とよくにた、今回(2005年)の健身気功制定により、大きく気功も変化していくのでしょうか。
さまざまな気功の中から、4つの伝統的な気功を選定し、体育学院で標準化します。
さらに指導員制度を国家的に管理し、学校や職場にひろめていこうというものです。
選ばれたのは易筋経、八段錦、五禽戯、六字訣の4つです。