オルゴールの音 ハイパーソニック・エフェクト
平成17年度ハイパーソニックデジタル音響システムに関する調査研究
−可聴域上限を超える高周波成分によるハイパーソニック・エフェクトとその応用にむけて−
社団法人 日本機械工業連合会・財団法人 デジタルコンテンツ協会報告書の中で近年、わが国で発見されたハイパーソニック・エフェクト、すなわち人間の可聴域上限(20kHz)を超える高周波成分を豊富に含む非定常な音が、人間の脳幹、視床、視床下部を含む基幹脳ネットワークを活性化し、それを反映する様々な生理、心理、行動反応をひきおこす現象に注目、調査し報告しています。
ハイパーソニック・エフェクト発見に至る諸研究
人間の可聴域上限に関する研究は1920 年代に一つのピークを迎え、「可聴域上限は20kHz」という定説が出来上がりました。
1970 年代末から80 年代初頭にかけて行われた心理学的手法による研究では、音質の変化として検知されうる制限周波数帯域の上限はほぼ一致して16kHz 以下であることが示された。
これらによってオーディオ信号の周波数上限は20kHzで十分とされ、CDの記録・再生周波数帯域上限の決定に大きな影響を及ぼした。
これに対して、商業音楽制作の現場で音響制作に携わるアーティストや技術者の間では、20 kHz以上の高周波領域が重要であるという意見が多く、一般のオーディオマニアの間にもCDの音質が不十分であるという意見が根強く存在しました。
大橋らによるハイパーソニック・エフェクトの発見
大橋らは、医療目的で開発されてきた既存の生理指標計測法を抜本的に改良し、さらに、100 kHz に及ぶ強力な高周波成分を豊富に含む音源の探索、それを確保するための録音・編集・再生系の開発、再生システムから非線形歪の差を原理的に排除しうる音再生系であるバイチャンネル再生系の開発等を行い、可聴域上限をこえる高周波成分の効果を改めて検討しました。
その結果、高周波成分を豊富に含む非定常な音は、人間の脳幹・視床等の基幹脳とそれに発する神経ネットワークを活性化するとともに、これに導かれた快適性の指標脳波α波の増強、ストレス性ホルモンの減少、免疫活性の増大等の効果をもたらし、心身の健康にとってポジティブな効果をもつことが示されました。
この効果をハイパーソニック・エフェクトと総称しています。
基幹脳ネットワークが聴こえない高周波成分によって活性化されるという大橋らの知見は、権威ある基礎脳科学論文誌Journal of Neurophysiology に2000年に掲載され、その論文は異例な国際的関心を集めています。
更に、大橋らは、ハイパーソニック・エフェクトを発現させる超高周波空気振動は、耳からではなく体表面から受容されることを厳密に実証し、その論文は世界最大規模の脳科学研究論文誌Brain Research に2006 年に掲載されました。
このことは、高周波成分の受容が耳を介した気導聴覚系ではなく、体表面に存在する何らかの未知の振動受容メカニズムによって行われるという事実を実証的に示しています。
ハイパーソニック・エフェクトの追試・応用に関する調査
ハイパーソニック・エフェクトの発見は大きな注目を集め、追試研究が行われました。
反論もありましたが、2006 年にBrain Research 誌に採録された大橋らの審査付論文によって厳密な反証が得られ、高周波成分による生理・心理・行動にわたる複合的な効果の発現について、殆ど疑問の余地のない多くの支持材料が出揃うに至りました。
ハイパーソニック・エフェクトの脳波を指標とする検証実験
脳波を指標として、ハイパーソニック・エフェクトの再現性を確認する検証実験を行われました。
その結果、高周波成分を豊富に含む音を聴いている時の方が、高周波成分をカットした音を聴いている時よりも、α波ポテンシャルが増大していることが統計的有意に示され、ハイパーソニック・エフェクトの再現が確認されました。
注意すべきは可聴域だけの音や、高周波だけの場合では血流増大等の効果がなく、両方が組み合わさった場合のみ効果がある点です。
ハイパーソニック・デジタル音響機器の開発状況
ハイパーソニック・サウンドの構造上の特徴としては、20kHz をこえる高周波成分を豊富に含み、その周波数上限は瞬間的には
100kHz を大幅に超える場合がああります。
従って、ハイパーソニック・デジタル音響機器は、このような振動をもつ音素材をできるだけ忠実に記録したコンテンツ制作が可能な特性を備えている必要があり、さらに、こうしたコンテンツに記録された情報をできるだけ忠実に空気振動に変換して、ユーザーに伝達可能にしなければなりません。
調査の結果として、スタジオ用音響機材、民生用音響機材、空間演出用音響機材のいずれの領域においても、時として100kHz をこえる高周波成分を含むハイパーソニック・サウンドの記録や再生には著しい限界を有する機材が殆どをしめていることが見出されました。その実現のために必要な機材は開発の途上に あるということが明白になりました。
現在、基幹脳ネットワークの活動がもたらす自律神経系、免疫系、内分泌系等生体制御系の強力な活性化は、生活習慣病、発達障害、精神・行動の異常の防御につながり、既に医療健康分野や都市再生分野で注目を浴び、その応用の動きが急速に展開しています。
一方、ハイパーソニック・エフェクトの発見と同時に見出された現状のデジタルコンテンツが内包しているマイナスの影響、つまり「人間には音として知覚できない超高周波成分を信号処理過程等で高度に除外し知覚できる周波数範囲に限定したメディアの音が、基幹脳ネットワークの活性低下をもたらしていることが確からしいという問題は看過できません。
すなわち、現在の人工的な音響空間の問題点を明確化している点でも重要な報告です。
現行のCD、MD、MP3、BS及び地上波デジタル放送用音声規格はいずれも、音として知覚できる周波数帯域成分についてのみ伝達可能にするものとなっています。
このような信号構造をもつ音楽や環境音に触れているときの人間の脳では、音楽等が存在しない暗騒音条件下にある時よりも基幹脳の活性が低下していることが、複数の直接的・間接的指標上で統計的有意性をもって観測されています。
ハイパーソニック・サウンド対応音響システムの課題
スタジオ用音響機材については、100kHz 以上の帯域まで周波数特性が及ぶ新たなマイクロホン材の開発、高いサンプリング周波数をもつ研究用AD/DA コンバーターの実用化、100 kHz を越える帯域に対応しうるデジタル・エフェクター類、デジタル・オーディオ・ワークステーション等が実現し、それが生理学医学的な吟味検証と結びつく時に、コンテンツ制作を一新する大きな影響力が発揮されると予想されます。
この発表を受けてオルゴールの周波数測定と、気持ちの良いときに出る脳波『アルファ波』の測定や交感神経の鎮静化、脳波に及ぼす影響などの検査が行われました。
その結果、下記のようにオルゴールは優れた周波数を持っていることがわかり、脳に及ぼす影響が大きいことがわかったのです。
5オクターブの音域を持つ72弁以上のオルゴールに3.75ヘルツの低周波から100キロヘルツを超える高周波という驚異的な周波数のあることが、オルゴール療法研究所と大阪芸大の芹沢先生、大阪大学産業科学研究所の奥田先生のご協力で判明しました。
オルゴールと同じだけの周波数帯を得ようとすれば、奥深い森の中で様々な音が鳴っている状況か、弦楽四重奏やオーケストラのように一時に複数の楽器が演奏される状況が必要です。例外的に単体ではパイプオルガンでの演奏が該当するそうです。
例えば、三協精機の50弁及び72弁シリンダーオルゴールは70〜80KHZまで、80弁ディスクオルゴールは100KHZまでの超高周波音が出ますので、高周波音効果が期待されます。
参考リンク紹介
1.吟剣詩舞音楽onSTAGE/吟詠音楽講座
第1回 音の正体
第2回 音楽に用いられる音
第3回 倍音の不思議(倍音と音律の関係)
第4回 倍音の不思議(倍音と響きの関係)
第5回 共鳴の不思議
第6回 声という楽器(失われた歌声)
第7回 声という楽器(発声訓練の目的と注意)
第8回 発声器官の基本的な知識(声帯と喉頭)
第9回 個性か自然体か(発声訓練をはじめるにあたって)
第10回 訓練法の種類(呼吸について)
第11回 呼吸器官
第11回補足 呼吸の原則
第12回 声区(音域と音質)
第13回 仮声の練習
第14回 頭声の練習
第15回 胸声と中声の練習(理解するのは容易く実践するのは難しい)
第16回 声を当てる練習(まとめ)
確かに、理解するのは容易く実践するのは難しいです。
音楽刺激が心拍変動に与える影響
青木 孝志1、足達 義則2、鈴木 昭二3
1 中部大学工学部、2 中部大学経営情報学部、3 鈴鹿工業高等専門学校
aoki@isc.chubu.ac.jp
音楽刺激による心拍数および心拍ゆらぎの変化を調査した。被験者は22-23 歳の健康な男子10 人であった。
音楽は一つのJ-Pop, Judy and Mary の歌"くじら12 号"を用いた。音楽刺激の刺激前5 分,刺激中5 分,刺激後5 分の脈波を測定した。その結果、心拍数に有意な変化は見られなかった。
LF/HF は刺激中において有意に減少した(LF およびHF は、それぞれ、心拍変動のパワースペクトルのlow frequency成分およびhigh frequency 成分を意味する)。
これは、刺激中に交感神経の活動を抑制することが示唆された。
LF は刺激後有意に上昇した。
これは刺激後においてストレスの軽減効果が示唆された。
本実験で用いた音楽の刺激は音楽療法に効果があると思われる。
(第27 回生命情報科学シンポジウム 発表内容説明)