健康法を探そう 免疫系

  

「免疫記憶のメカニズム」

1796年にジェンナによって初めて行われたクチンの接種は、医学が人類にもたらした最も大きな貢献である。

ワクチンが感染症を予防できるのは、免疫記憶があるからである。

免疫記憶の原理を明らかにする糸口は、1890年、ベーリング・北里による抗原投与された動物血清中からの中和抗体の発見であった。

すなわち、免疫記憶の中心に抗体記憶が位置づけられた。

その後、多くの研究により抗体記憶は細胞突然変異クラススイッチ組換えという種類の遺伝子変異によってBリンパ球ゲノムに刻印されることが明らかになった。

我々は1978年に、クラススイッチが遺伝子断片の欠失をともなうゲノム変換であることを提唱し、これを証明した。

2000年には、クラススイッチと体細胞突然変異をゲノムに刻む分子がactivation-induced cytidine deaminase (AID)であることを発見した。

今日、AIDがいかにしてゲノムに記憶を刻み込むかというメカニズムをめぐって、世中で大きな論争と競争が展開されている。

さらに、AIDは抗体遺伝子以外にも遺伝子変異を導入することが明らかとなり、それが発ガンの原因になるのではないかと考えられている。

ウイルス感染によって発現誘導されたAIDによる遺伝子変異が発ガンに繋がるかどうかは、今後のガン研究の方向に大きな影響を与える。

また、我々が同定したPD−1分子は、リンパ球の記憶や免疫寛容を制御の鍵となる分子であり、これを制御することにより、自己免疫疾患やアレルギーの制御、ガンやウイルス感染の際の免疫増強を行うことが出来ると期待される。

すなわち、我々は、AIDおよびPD−1の機能解明とその機能制御を通して免疫病の制御、ならびに発ガンの機構解明とその予防に貢献することを指して研究を続けている。

当研究室では世界の第一線で活躍し、免疫現象の根源的な問題に取り組もうとする志の高い学生やポスドクがともに研究をしており、この環境の中で分子生物学的、免疫学的実験手法と生命体の思想を学び、生命を全体像として捉える力を備えた自立した研究者を育てることを目指している。


京都大学大学院医学研究
免疫ゲノム医学
教 授 : 本庶 佑

【関連記事】
がん抑制に前進 京大研究チームがAID発現のメカニズムを解明 産経新聞2009.12.07


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環境と動物の反応-体液による生体防御


環境動物反応-体液による生体防御
授業を受けているような感じですね。

説明を聞いているとわかったような気がしますが、いざ自分で説明しようとすると難しいですね。

へリングの法則

へリングの法則
ホメオパシーには、「ヘリングの法則」というものがあり、治癒の方向性を示すものですが、これは人体の防衛網の基本戦略を表しているとも考えられ、健康を考える上でも非常に有効です。


ヘリングは、5つの治癒への方向性を発見しました。

一言で言うと、人の体を侵略して来た病気、不調の侵入点へ向かって体の防衛網が押し返していくのがその方向です。

体の防衛網の重要な、生命活動の中枢は、必要物資も最優先で入手でき、活動の優先順位も最優先です。

この中枢部側から末端に向かって戦局が移って行き、最終的に体から体毒が排除されて戦いが終結します。

多方面に戦局が分散している時は、物資調達に苦労するなど、現実の国と国との戦いと同じようです。


逆に中枢がやられたら治らないことになってしまいます。

これを逆転するには、外部条件を変えるとか、強力な外部支援、どこかの犠牲で生き残るというような策が必要になります。


人が病気、不調を意識し、対策を行い始めた時点からその方向性を認識する場合が多いですが、体内では意識する、しないにかかわらず防衛活動が始まっています。

そして、人の採る対策は人体の防衛活動を邪魔することが多いので注意したいものです。


 1. 体内か体外へ
内臓の不調から体表側への不調へ症状が変化してくることです。
 (内臓のほうが体にとって重要)

 2. 上から下へ
頭部、顔から手足へ症状が移る傾向があります。
(コントロール中枢の頭部のほうが体にとって重要)

 3. 心から体へ
心が病気の時は、体が病気になれない。
風邪をひくようになったら心の病気が快方に向かっているというようなことです。
(指令を出してコントロールする側の方が、コントロールされて動く側より体にとって重要)

 4. 重要な器官から、より重要でない器官へ
冷え症がよくなって来たと思ったら、皮膚のかゆみが出てきた。
(体の中でもより重要ながまず第一です。
それから心臓、肺、肝臓、膵(すい)臓、腎臓等が重要です。)


 5. 病気が重くなっていった時と逆の過程をたどる。

現在の症状から過去の症状へ。
逆順序の法則といいます。
(戦局が変わっていくので最も分かりやすいのが元来た道を押し返すルートです。
敵もさる者、その時点で弱いところを突いてくるので状況によって変わることもあると思いますが)

粘膜面での防御応答

ウイルスや細菌などの病原体は、呼吸器や消化管などの粘膜を介して感染することが知られています。
粘膜面では、病原体の感染に対してIgA抗体が主体となって、病原体である抗原と特異的に結合し、防御応答が誘導されます。
IgAは、病原体が粘膜上皮細胞に付着・定着することを阻止したり、病原体から生産される毒素や酵素を中和することによって、感染からの防御に貢献しています。
実用化が期待されている粘膜ワクチンは、病原体に対するIgAをいかに効率よく粘膜面で産生できるかが実用化の鍵となっています。

 

一方、粘膜面では特に感染のない状態でも、恒常的に大量のIgAが産生されています。のIgAの役割は、無数に存在する常在菌から粘膜を守りながらそれら常在菌と共生する、さらには病原体に特異的なIgAが誘導されるまでの数日間を補完する上で重要であると考えられています。

自然免疫と共に働くシステム  タイトジャンクション

カネボウ化粧品価値創成研究所は、タイトジャンクション研究をさらに深耕し、皮膚バリア機能の恒常性を維持する新しいメカニズムを発見しました。
今回、皮膚表面を細菌やウイルスが突破しようとする際に反応する「Toll様受容体」と呼ばれる異物侵入センサーに、角層のすぐ下(表皮顆粒層)に存在するタイトジャンクションが応答し、タイトジャンクションのバリア機能が強化されることを発見しました。このことから、皮膚には、細菌やウイルスが角層バリアを突破してもタイトジャンクションのバリア機能が即座に強化され、細菌やウイルスがさらに皮膚内部へと侵入するのを防ぐ仕組みがあることが考えられます。タイトジャンクションとは
私たちの体は、細胞の集まりによりできています。タイトジャンクション(TJ)とは、この細胞同士を接着させる“細胞接着装置”のことです。気管、腸管、血管などの細胞ではタイトジャンクションが発達し、管の内側の溶液が細胞間隙を介して透過するのを防ぐ、物質の透過バリア機能を果たしています(図1)。 個々の細胞TJ細胞膜TJを形成する膜貫通タンパク質
(図1)タイトジャンクション(TJ)は、細胞の周囲に存在し、細胞と細胞のすきまを接着することで、細胞間隙の物質透過バリアとなっている。
これまでの皮膚タイトジャンクション研究タイトジャンクション細胞間隙トレーサー
(図2)ヒト皮膚モデルの下から細胞間隙トレーサーを拡散させると、黄色で示したタイトジャンクションの部分でストップする。タイトジャンクションが物質透過バリアとなっていることが分かる。
私たちの体を包み込んでいる皮膚も、体外からの異物の侵入を防ぐバリアとしての働きを有しています。しかし、そのバリア機能を担う部位としては角層のみが注目され、物質透過バリアとして働くタイトジャンクションは皮膚には存在していないものと考えられていました。ところが、カネボウ化粧品は、京都大学 医学部・分子細胞情報学講座と共同研究を進め、2002年に“皮膚にも機能的なタイトジャンクションが存在する”という発見に貢献しました。さらに、その詳細を明らかにするため、培養細胞を用いた研究を進め、ヒト表皮細胞やヒト皮膚モデルにも機能的なタイトジャンクションが形成されることを発見し(図2)、その形成メカニズム・制御機構などを、次々と明らかにしてきました。
新知見:タイトジャンクションは 異物侵入センサー「Toll様受容体」に応答
細菌やウイルスなどの微生物が皮膚表面を突破して内部に侵入すると、皮膚では炎症が起こり、肌荒れの原因となります。しかしながら皮膚には、簡単に細菌やウイルスを皮膚内部に侵入させないために、物理的なバリアだけでなく、“自然免疫”と呼ばれるバリアも備わっています。 Toll様受容体細菌・ウイルス抗菌ペプチドタイトジャンクション樹状細胞
(図3)Toll様受容体は、ウイルスや細菌などの侵入を見張るセンサーとして働く。異物の侵入を検出したToll様受容体は、自然免疫による生体防御機構を発動させる。
自然免疫とは、細菌やウイルスなどの侵入により初めて発動される生体防御システムで、このシステムの発動には、Toll様受容体(Toll-like receptor:TLR)が重要な働きをします。Toll様受容体が角層のすぐ下で細菌やウイルスの侵入を見張るセンサーとして働き、その侵入を検出した際には、自然免疫を発動させ、それらを排除します(図3)。
今回、カネボウ化粧品では、Toll様受容体が異物の侵入を検出した際には、自然免疫だけでなくタイトジャンクションにも働きかけ、皮膚内部へのさらなる侵入を防ぐシステムがあるのではないかと考えました。そこで、ヒト表皮細胞やヒト皮膚モデルを用いて、Toll様受容体とタイトジャンクションの関係について研究を開始しました。
TJaPKCaPKCTJmRNAproteinClaudin-4DNAToll様受容体による異物侵入の検出初期応答後期応答
(図4)初期応答と後期応答によりタイトジャンクションの
バリアは強化される。
その結果、Toll様受容体が細菌やウイルスの成分を認識すると、タイトジャンクションのバリア機能が強化されることを発見しました。さらには、このバリア機能強化には即座に反応する初期応答と、24時間程度経ってから反応する後期応答が存在することを見出しました(図4)。とくに初期応答では、タイトジャンクションの形成システムが即時的に活性化されることから、皮膚のバリア機能を強化する大変重要な生体防御システムであると考えられます。

これらの研究成果は、皮膚の自然免疫によるバリアと、タイトジャンクションという物理的なバリアが協調的に働くことを示唆する世界初の発見であり、香粧品科学のみならず皮膚科学、免疫学においても非常に価値のある研究であると考えています。
新しいスキンケアコンセプトの提案
今回見出されたタイトジャンクションの働きは、紫外線によるタイトジャンクションの形成不全など、カネボウ化粧品が継続的に培ってきたタイトジャンクションの機能制御研究から生まれたものです。カネボウ化粧品は、このタイトジャンクションの働きを高めるスキンケア化粧品の開発を進めており、今後も、健やかで美しい素肌を保つスキンケアを提案していきます。
なお、本成果は、9月20日よりアルゼンチンで開催される「第26回 IFSCC Congressブエノスアイレス大会」での発表を予定しているほか、本成果の一部が世界的に権威のあるゴードン会議・Barrier Function of Mammalian Skinにおいて、Hot Topic Presentationに採択されました。株式会社カネボウ化粧品2010年8月5日

樹状細胞が抗原断片を提示する仕組み

タンパク質の折りたたみを助ける「Hsp90」が免疫機構でも機能を発揮
−樹状細胞が、がんやウイルスを取り込み、抗原提示する仕組みを解明−
平成23年9月20日

 

 

私たちの体には、がんやウイルスなど外部からの異物(抗原)の侵入を阻むため、免疫システムが備わっています。
それは、抗原破壊の役割をもつ「キラーT細胞」が、がん抗原やウイルス抗原を認識することから始まります。
この抗原認識のためには、「樹状細胞」と呼ばれる抗原提示細胞が抗原を食べ、タンパク質の断片(ペプチド)に分解し、細胞表面に提示して、キラーT細胞に情報を伝える必要があります。
樹状細胞に取り込まれた抗原は、いったん小胞(エンドソーム)の中に置かれます。一方、抗原を分解する酵素はエンドソームの外(細胞質)にあるため、両者が出会うには抗原がエンドソームの膜をすり抜ける必要があります。
しかし、このすり抜けるメカニズムには不明な点が多く、40年近くたった今も免疫学の謎の1つでした。

 

理研免疫・アレルギー科学総合研究センター免疫シャペロン研究チームと岡山大学らは、タンパク質の折りたたみを助ける分子シャペロン「Hsp90」が、エンドソーム内の抗原を細胞質へと引き出す役割を担っていることを発見しました。
マウスを用いた実験を行った結果、Hps90が存在しない場合や、その機能を阻害した場合には、抗原がエンドソーム内にとどまり、細胞質へ引き出されないことを突き止めました。
「熱ショックタンパク質」や「ストレスタンパク質」として研究されてきたHsp90ですが、免疫機構においても大きな役割を果たすことになりそうです。この成果は、がんやウイルスに対する治療法の確立や自己免疫疾患の制御に向けて、新たな手掛かりになると期待できます。

 

抗原提示に関してはマクロファージも重要なプレーヤーです。
その概要は以下
抗原提示細胞(抗原呈示細胞)である単球・マクロファージ(MΦ)は、細菌を貪食し、細胞内(エンドゾーム)で消化し、細菌の蛋白を、細かく砕き(分解・断片化し)、アミノ酸数が約10〜15程度のペプチド(peptide)にする。
分解した異物のペプチドを、もともと細胞内に持っていたクラスII MHC (MHC-II)と結合させ、細胞表面に表出させる。
これをマクロファージによる抗原提示と呼ぶ。
やはり、エンドソームで消化と言うことで、樹状細胞の場合と同様にHsp90」が、エンドソーム内の抗原を細胞質へと引き出す役割を担っているのだと思われます。

 

 

上記のMHCは主要組織適合性抗原とも呼ばれ、細胞表面に存在する細胞膜貫通型糖タンパク分子であり、細胞内のさまざまなタンパク質の断片(ペプチド)を細胞表面に提示する働きをもつ。

 

MHC分子は多様なペプチドを提示する能力を持つが、これは一つの分子が様々なペプチドを提示できるという仕組みであり、MHC分子そのものに抗体やT細胞受容体に見られる多様性があるわけではない。

 

 

 

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