栄養素名 化学名 所要量 主な欠乏症 作用、効果 主な食品
一般成分   水分 一日に排出される水の量は、静かに横たわっている成人男性で 2,300ml であり、内訳としては尿1,200ml、糞200ml、 不感蒸泄900ml である。1日に必要な水の量は当然 2,300ml である。一般に、飲料水から1,200ml、食物800ml、代謝物300mlとして摂取される。 脱水症  水分は、食品の性状を表す最も基本的な成分の一つであり、食品の構造の維持に寄与している。人体は、その約60パーセントが水で構成され、1日に約2リットルの水を摂取し、そして排泄している。この収支バランスを保つことにより、体の細胞や組織は正常な機能を営んでいる。通常、ヒトは水分の約2分の1を食品から摂取している。 水道、井戸水
    たんぱく質   タンパク質の生体における機能は多種多様であり、たとえば次のようなものがある。欠乏すると各々の機能に支障が生じる。

酵素:代謝などの化学反応を起こさせる触媒である。
生体構造を形成するタンパク質:コラーゲン、ケラチンなど
生体内の情報のやりとりに関与するタンパク質:タンパク質ホルモン、受容体や細胞内シグナル伝達に関わるものがある。酵素作用を持つものも多い。
運動に関与するタンパク質:筋肉を構成するアクチン、ミオシンなど
抗体:抗原に対し特異的に結合することで免疫に重要な役割を果たす。
栄養の貯蔵・輸送に関与するタンパク質:卵、種子、乳(カゼイン)などに含まれそれ自体が栄養として用いられるものや、血液中で低分子の栄養分やホルモンを結合しているアルブミンなど。
 たんぱく質はアミノ酸の重合体であり、人体の水分を除いた重量の2分の1以上を占める。たんぱく質は、体組織、酵素、ホルモン等の材料、栄養素運搬物質、エネルギー源等として重要である。  
    脂質      脂質は、有機溶媒に溶ける食品中の有機化合物の総称であり、中性脂肪のほかに、リン脂質、ステロイド、ろう、脂溶性ビタミン等も含んでいる。脂質は生体内ではエネルギー源、細胞構成成分等として重要な物質である。ほとんどの食品では、脂質の大部分を中性脂肪が占める。  
    炭水化物      炭水化物は、生体内で主にエネルギー源として利用される重要な成分である。炭水化物は、従来同様いわゆる「差し引き法による炭水化物」すなわち、水分、たんぱく質、脂質及び灰分の合計()を100から差し引いた値で示した。炭水化物の成分値には食物繊維も含まれている。  
  灰分(ミネラル) ナトリウム      ナトリウムは、細胞外液の浸透圧維持、糖の吸収、神経や筋肉細胞の活動等に関与するとともに、骨の構成要素として骨格の維持に貢献している。一般に、欠乏により疲労感、低血圧等が起こることが、過剰により浮腫(むくみ)、高血圧等が起こることが、それぞれ知られている。なお、腎機能低下により摂取の制限が必要となる場合がある。  
    カリウム      カリウムは、細胞内の浸透圧維持、細胞の活性維持等を担っている。食塩の過剰摂取や老化によりカリウムが失われ、細胞の活性が低下することが知られている。必要以上に摂取したカリウムは、通常、迅速に排泄されるが、腎機能低下によりカリウム排泄能力が低下すると、摂取の制限が必要になる。  
    カルシウム 男性:600〜700mg、女性:600mg    カルシウムは、骨の主要構成要素の一つであり、ほとんどが骨歯牙組織に存在している。細胞内には微量しか存在しないが、細胞の多くの働きや活性化に必須の成分である。また、カルシウムは、血液の凝固に関与しており、血漿における濃度は一定に保たれている。成長期にカルシウムが不足すると成長が抑制され、成長後不足すると骨がもろくなる。  
    マグネシウム 男性:280〜320mg、女性:240〜260mg    マグネシウムは、骨の弾性維持、細胞のカリウム濃度調節、細胞核の形態維持に関与するとともに、細胞がエネルギーを蓄積、消費するときに必須の成分である。多くの生活習慣病やアルコール中毒の際に細胞内マグネシウムの低下が見られ、腎機能が低下すると高マグネシウム血症となる場合がある。  
    リン      リンは、カルシウムとともに骨の主要構成要素であり、リン脂質の構成成分としても重要である。また、高エネルギーリン酸化合物として生体のエネルギー代謝にも深くかかわっている。腎機能低下により摂取の制限が必要となる場合がある。  
    鉄 男性:10mg、女性:10〜12mg    鉄は、酸素と二酸化炭素を運搬するヘモグロビンの構成成分として赤血球に偏在している。また、筋肉中のミオグロビン及び細胞のシトクロムの構成要素としても重要である。鉄の不足は貧血や組織の活性低下を起こし、鉄剤の過剰投与により組織に鉄が沈着すること(血色素症、ヘモシデリン沈着症)もある。  
    亜鉛 男性:10〜12mg、女性:9〜10mg    亜鉛は、核酸やたんぱく質の合成に関与する酵素をはじめ、多くの酵素の構成成分として、また、血糖調節ホルモンであるインスリンの構成成分等として重要である。欠乏により小児では成長障害、皮膚炎が起こるが、成人でも皮膚、粘膜、血球、肝臓等の再生不良や味覚及び嗅覚障害が起こるとともに、免疫たんぱくの合成能が低下する。  
    銅 男性:1.8mg、女性:1.4〜1.6mg    銅は、アドレナリン等のカテコールアミン代謝酵素の構成要素として重要である。遺伝的に欠乏を起こすメンケス病、過剰障害を起こすウイルソン病が知られている。  
    マンガン 男性:3.5〜4mg、女性;3〜3.5mg    マンガンはピルビン酸カルボキシラーゼ等の構成要素としても重要である。また、マグネシウムが関与するさまざまな酵素の反応に、マンガンも作用する。マンガンは植物には多く存在するが、ヒトや動物に存在する量はわずかである。  
ビタミンA レチノール 男性:2000IU、女性:1800IU 暗順応低下、皮膚乾燥、夜盲症、角膜乾燥症 目と粘膜のためのビタミン。上皮細胞を保つ。光を感じるロドプシンはビタミンAが主成分 レバー、ウナギ、銀たら、蛍イカ
ビタミンA βカロチン -- 必要に応じ、ビタミンAに変換、変換されないものは抗酸化作用がある   小松菜、人参、春菊、つるむらさき、マンゴー、ほうれん草、菜の花、のり、ワカメ、昆布
ビタミンB1 サイアミン 男性:0.8mg、女性:0.70.9mg   疲労感、食欲不振、いらいら、脚気、ウェルニッケ脳症 消化と精神のビタミン。脂質の代謝、中枢神経、末梢神経の作用維持。腸内細菌によって体内でも合成。 強化米、胚芽米、豚肉、ウナギ、小麦胚芽、いりゴマ、大豆、ニンニク、ネギ
ビタミンB2 リボフラビン 男性:1.2〜1.4mg、女性:1.01.1mg 口内炎、目の充血、皮膚炎、肌荒れ、ニキビ、口角炎、口唇炎、ボケ 成長促進、過酸化脂質の分解、脂質の代謝、粘膜保護、視力快復強化。腸内細菌によって体内でも合成。 ウナギ、レバー、魚、納豆、牛乳、海苔、アーモンド、卵
ビタミンB3 ナイアシン(ニコチン酸とニコチン酸アミドの総称) 男性:14〜17mg、女性:1213mg 頭痛、めまい、不安感、ペラグラ、ノイローゼ 皮膚と精神のビタミン。脂質、糖質の代謝、脳神経機能の正常化、性ホルモン、インスリンの合成、消化器異常修復、LDL低下、HDL上昇、中性脂肪低下 カツオ、サバ、レバー、麦、胚芽米、ゴマ、ビール酵母
ビタミンB5 パンテトン酸 男性:10mg、女性:46mg 頭痛、皮膚炎、白髪、血圧低下、副腎機能低下 抗ストレス、脂質・糖質・タンパク質の代謝、副腎皮質ホルモン合成、免疫抗体生産、解毒、HDL増加。腸内細菌によって体内でも合成。 レバー、納豆、鮭、いわし、ビール酵母、大豆
ビタミンB6 ピリドキシン -- 食欲不振、貧血、皮膚炎、けいれん タンパク質形成、成長促進、脂質の代謝、抗体・赤血球の生産、インスリン合成、生殖機能維持、解毒、つわり軽減 マグロ、さんま、さけ、さば、牛レバー、いわし、バナナ、ビール酵母、大豆
ビタミンB12 コバラミン 男性:1.5〜5μg 神経過敏、記憶.集中力低下、動悸息切れ、悪性貧血 抗悪性貧血、葉酸とともに赤血球生産、神経細胞内タンパク質・脂質・核酸合成、神経系機能維持、精神鎮静 アサリ、カキ、レバー、シジミ、ニシン、すじこ、サンマ、いわし、サバ、たらこ、鮭
ビタミンB13 オロット酸 葉酸やB12の代謝、肝臓障害や早老を防止作用があると推測されている。     根野菜、小麦胚芽、ビール酵母
ビタミンB14 チオクト酸 体内で合成され、不足することはないと考えられている。     --
ビタミンB15 パンガミン酸 -- 肝機能低下、免疫機能低下 抗アルコール、肝硬変防止、公害汚染物質の障害防止、細胞の寿命を延ばす。 無精白穀類、かぼちゃの種、ゴマ、ビール酵母
ビタミンB17 アミグダリン -- 米国では、ガン治療薬「レートリル」として知られる。ガンの制圧、予防効果。末期ガンでも効果ある。日本では正式な治療には用いられない。含まれるシアン化合物がシアンに分解されガン細胞のみを攻撃すると考えられている。一度に一グラム程度が目安。   杏、さくらんぼ、プラム、桃などの種子中、ビワの葉
リポ酸 リポ酸 -- 強肝、肝炎・肝硬変の改善、薬毒・蛇毒・妊娠中毒の解毒。B1,B5と共同で糖・アミノ酸代謝を促進、解毒作用があり肝機能を強化。   ビール酵母、レバー
ビタミンM(葉酸,フォリック酸) プロテイルグルタミン酸 成人:200μg〜400μg 下痢、舌炎、白髪、脱毛、流産、大赤血球性貧血 赤血球増殖、細胞新生促進、老化防止、皮膚・毛髪の維持、抗体生産、乳汁分泌促進。 レバー、牛肉、ほうれん草、豚肉、ジャガイモ、大豆、ビール酵母
It イノシトール -- 抜け毛、湿疹、肥満、LDL増加、成人慢性疾患 脱毛防止、脂肪肝、動脈硬化防止、脳細胞維持、健全な毛髪維持。 オレンジ、スイカ、メロン、グレープフルーツ
Cn コリン -- 脂肪肝、肝硬変、LDL増加、動脈硬化、心疾患、脳卒中、高血圧、肥満、健忘症。 コレステロール正常化、脳の老化ボケ防止、肝機能正常化。 豚レバー、卵、牛レバー、大豆、ささげ、エンドウ豆、玄米、ビール酵母
PABA パラアミノ安息香酸 -- 白髪、シワ、性欲減退、細菌感染、湿疹、発育不全 皮膚と毛髪を維持、白髪・シワ防止、腸内有用菌の増殖、葉酸合成。 レバー、卵、ビール酵母、牛乳、無精白穀物
ビタミンH ビオチン -- 筋肉痛、脱毛、疲労感、皮膚炎 白髪・ハゲ防止、糖質・脂質・タンパク質の代謝、肝機能促進、体重増加。 レバー、ビール酵母、米胚芽、いわし、卵、黄粉、カキ
ビタミンC アスコルビン酸 成人:50mg、妊婦:60mg、授乳婦:90mg 食欲不振、歯ぐき出血、壊血病、免疫低下、難病増加 コラーゲン強化、免疫機能強化、抗ストレス、抗酸化作用、抗ガン作用など。 グアバ、いちご、ミカン果汁、パパイヤ、キーウィ、ブロッコリー、菜の花、オレンジ、柿、アセロラ
ビタミンD カルシフェノール 成人:100IU、妊婦,授乳婦,幼児:400IU 腕、のどの筋肉痙攣、くる病 骨形成、ビタミンA吸収促進、リン血中濃度調整、皮膚で紫外線によりコレステロールから合成 鮭、カレイ、あんきも、ニシン一食で1000IU、他多くの魚、レバー、椎茸、煮干し
ビタミンE トコフェロール -- 更年期障害、早老、心疾患、冷え症、不妊、流産、ボケ、シミ、シワ、肩こり、溶血性貧血 過酸化脂質防止、末梢血管拡張、細胞分裂促進、ホルモン分泌促進、妊娠促進、Cとともに抗酸化作用 アーモンド、へーゼルナッツ、うなぎ、たらこ、ひまわり油、落花生、カボチャ、あんきも、ごま油
ビタミンF γ-リノレン酸 -- 高血圧、高血糖気管支喘息、アトピー性皮膚炎、高コレステロール血症、動脈硬化 リノール酸から合成される。プロスタグランジン1(生体調節ホルモン)の材料、血圧、血糖値、コレステロール、値降下、血液凝固阻止、血管拡張、気管支拡張、子宮収縮 母乳、月見草油
アラキドン酸 アラキドン酸 -- 免疫機能低下、肝機能障害、胎児、乳児発育不全 リノール酸から、γ-リノレン酸を経て合成される。プロスタグランジン2(生体調節ホルモン)の原料、血圧、炎症、免疫系の調整、妊娠後期の胎児、乳児の健全な発育。過剰症のほうが問題 レバー、卵、サザエ、アワビ
ビタミンK フィロキノン 体重1kg当たり1.5μg 鼻血が出やすい、頭蓋内出血 止血、利尿、解毒、抗菌作用、骨の形成、血中カルシウム濃度調整 納豆、あしたば、小松菜、おかひじき、ほうれん草、カブの葉、ブロッコリー、キャベツ、青のり
ビタミンP バイオフラボノイド -- 青あざが消えずらい、歯ぐきからの出血 ルチン、ヘスペリジン、シトリンなどフラボノイド化合物の総称。毛細血管強化、強抗酸化作用、Cの効果を増強、細菌侵入防止 柑橘類、杏、さくらんぼ、葡萄、ブルーベリー、そば、ばらの実、エンジュの葉
Co-Q ユビキノン -- 心疾患、筋ジストロフィー、運動中の胸痛、突然死、歯槽膿漏 酸素とエネルギーの供給、抗酸化作用、精子を活発化、免疫細胞・白血球の働きを促進、不整脈、心不全、浮腫、肝肥大の解消 レバー、ビール酵母、もつ、牛豚肉、かつお、マグロ
ビタミンT カルニチン -- 貧血、血友病誘発 血小板形成 ごま、卵黄
ビタミンU キャバジン -- 胃潰瘍、十二指腸潰瘍、痔出血、腫瘍ができやすい 抗腫瘍、胃腸の粘膜新陳代謝促進、タンパク質合成促進 青のり、キャベツ、レタス、セロリ、アスパラガス